7月半ばにNYへ行ってきました。3カ月遅れのレポートをお届けします。アメリカの好況に乗ってNYのホテルやショップ、レストランは動きが早い。時間、誌面、エネルギーの都合ですべては網羅できていませんが、主だった場所は押さえています。ではいざ。
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今回の旅の目的の一つ、JFK空港にオープンした話題の「TWA Hotel」へ。この建物は、エーロ・サーリネンの代表作「TWA Flight Center」(1962年完成、2001年以降閉鎖)をホテルにコンバージョンしたもので、JFKのターミナル5に直結しています。意外にもJFK空港内にホテルがオープンしたのは今回が初めてだそうです。ターミナル1からAirTrainで移動。Jet Blueのカウンターを経由してホテルへ向かいます。
小振りなコンベンションセンターにも見えます。両ウイングが客室棟
赤い絨毯が敷き詰められたアプローチ。キューブリックの『時計じかけのオレンジ』の世界。
ちなみに原作(アンソニー・バージェス著)はこの建物と同じ1962年に発表された
ロビーも60’sの雰囲気。往時のパタパタ時刻表(Split-flap display)が目を引きます。家具もサーリネンのデザイン(Knoll社)。テラスには大統領専用機として使われていた大型プロペラ機が鎮座。夜はバーになるそう
ディテールいろいろ
チェックインカウンター前にディスプレイされたアメ車
客室棟ルーフトップに設けられたプール。間近に滑走路を行き来するJet Blue機の音がもの凄い
照りつける太陽の下より夜だねここは。バーは宿泊客じゃなくても利用可
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UBERでマンハッタンへ。今回宿泊するホテルは「moxy NYC Chelsea」。誕生して2年ですでにマンハッタンだけで4施設(Chelsea、Downtown、Times Square、East Village)を展開するmoxy(日本は錦糸町と大阪本町にあります)。ホテル全体のデザインはヤブ&プシェルバーグが、レストランやバーはロックウェルグループが手掛けています。ところどころに有機的で懐かしい雰囲気のディテールが現れて、居心地の良いホテルでした。周辺には「The NoMad Hotel」や「Ace Hotel NY」、そして相崎準さん(後述)がデザインを手掛けた「Kimpton Hotel Eventi」等が集結
外部からもガラスファサード越しに見える迫力のフェイクグリーンウオール。 直下に設置されたカウンターテーブル(ブラケット照明、コンセント付き)は一杯飲むもよし、
仕事するもよしの、使い勝手の良いスペース
家具は上海のステラワークスさん
床パターンひとつ取っても和みます。
ノスタルジックな素材使いがトレンド
グリーンウオール裏のバーコーナー
1階奥のレストラン客席。リアルとフェイクとペイント(絵)のグリーンmixが見事
ロビーを含むパブリックエリアのアート、オブジェ群のセンスが光ります
洗い出しの床もよく目にしました
階段周りのデザインも秀逸
1階のレストラン「Feroce Ristorante」は味もサービスもgood。
NYで人気レストランを多数展開する「TAO Group」の運営
ルーフトップラウンジ「The Fleur Room」。目の前にエンパイヤが迫ってきます
フレームに綺麗な女性が入るだけで絵になる。それがNY
ネオン管風LEDサインもトレンド
チェックインカウンター。デジタルサイネージに流れる映像のセンスがポイントです
ファサード。3分割されたスチール扉は跳ね上って天井に収納されるオーバースライドドア
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今回泊まった客室からの眺め。部屋は狭いけど必要にして十分、欠点見当たらず。1泊3万円弱
トイレ。扉はシャワーブースと互い違いのスライドドア
レインシャワー一つ、ハンドル一つのシンプルなブース。
このハンドル一つで温度と湯量の調整が簡単にできて感動
機能をどう詰め込むかを競ってるようなデザインの洗面まわり。
最近このクラスのホテルの客室にゴミ箱がないのはナゼ
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晩ゴハンは地元のデザイナーBlank Designの土屋修さんと石井誠さんが予約してくれたコリアンBBQ「Cote」へ。ミシュラン獲った店らしくウエイティングバーも客席も大賑わい。地下には怪し気なバー
肉撮って店撮るの忘れる
地下のバーで怪しく光る熟成肉の冷蔵庫
奥の客席壁面はやっぱりグリーンウオール
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2日目は最新の商業施設巡り。まずはブルックリンへ。雑誌「Time Out」が手掛けたフードホール「Time Out MARKET」へ。歴史地区DUMBOにある古いレンガ倉庫を改装した建物に入居。が、冷蔵設備がダウンしたとかで全店臨時休業(泣)
雑誌のイメージ同様に黒と白で統一された店内
家具や什器にそこはかとなく漂う古き良きアメリカのディテール
吹き抜けにはグリーン
レンガとガラスとスチールとが綺麗すぎないレンガ倉庫
内部には最新鋭の店舗群
ブルックリン橋とイーストリバー
鉄扉をサインボードに
ブルックリンで20年近く事務所を構えるCREME(クレム)の相崎準さんを表敬訪問。
いつも大人数で押しかけてすみません(ご本人の写真撮り忘れる、、)。
近所のカフェ「SUNDAY/IN/BROOKLYN」でランチ
相崎さんと別れて人気カフェ「DEVOCION」へ。満席!
こういうセンスが、、。焙煎コーナー
ブルックリンで最近オープンしたホテル「HOXTON」へ
劇場の階段席を思わせるホテル地階のカフェ
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夜は賑やかなエリアを探検。
マリオットとイアン・シュレーガーのコラボによるホテルブランド
「EDITION The Times Square」のエントランスアプローチ。
2020年には森トラスト×隈研吾の組み合わせで、銀座と虎ノ門に開業予定
チェックインカウンター。カウンターバックにグリーンはもはや定番
客室のブランケット。これわざとクシャとしてあります
片持ちの洗面台
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3日目はこれも旅の目的の一つだった「HUDSON YARD」へ。メトロ車両基地の上、東京ドーム約2.5個分の敷地に計16棟の超高層ビルが建ち並び、オフィス、住宅、商業施設が入るというマンハッタン史上最大の再開発。日本から三井不動産も一部参加。話題はマンハッタン初出店(意外にも)のデパート「Neiman Marcus(ニーマン・マーカス)」(五番街のBergdorf Goodmanは同じグループ)。再開発全体の完成は2024年予定
Neiman Marcusのサイネージ柱。
デジタルとアートとデザインが近接するいまを象徴するような施設
老舗感を前面に。お客さんはまばらでした
テナントのカフェ。なんてことないデザインなんだけどセンスがいい
ガラスブロックの使い方が面白い
チラ見。これが話題の階段建築「Vessel(ベッセル)」
「Vessel」越し見えるのがハドソンリバーでその手前がメトロの車両基地。
まさにアーバンランドスケープ
トーマス・ヘザウィックのデザインによる「Vessel」。建物で言うと15階建て。普段は無料で入れますが、現在は人数制限されているので有料チケット買ったほうが確実です。 https://tickets.hudsonyardsnewyork.com/webstore/shop/viewitems.aspx
見たら登りたくなります。NYは人の好奇心を刺激するのがうまい
目が回りそう。高所恐怖症の人は注意
「階段」だけでこれだけ人を引き寄せるというのがすごい
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HUDSON YARDから次のお目当ての店へ。ここも目を付けていた家具屋さん「Restoration Hardware(RH)」。プロには知られた家具屋ですが、日本未上陸なので知る人ぞ知るブランド。吹き抜けの各フロアにはアンティーク調の家具がこれでもかと並んでいます。そろそろ日本に来そうな雰囲気ですね
エレベーターひとつと取ってもエンターテインメント感があります
吹き抜け階段の手すりなども凝った造り
屋外家具も人気のブランドゆえ、価格帯は想像していたより値頃感あり
むしろ来たかったのはここ「RH Rooftop Restaurant」。
現地でも話題のようで人でごった返していました
コの字型のソファ席が並ぶ屋外席。来ているお客さんも皆おしゃれ
一見涼しそうですが、うだるような暑さです
テラス席というより庭園を思わせるディテールの数々
お隣のビル。プールだと思うけど贅沢感MAX
RHを出てぶらぶらしてたら見つけたディーン&デルーカの新業態(おそらく)
「Dean & DeLuca STAGE」。
白いストイックな空間ですが店員さんがフレンドリーで良かったです
ランチBOXに好きな惣菜を選んで入れてもらう形式。これで1200円くらい。
日本でもウケそうです
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最後の仕上げに
ここも最近オープンしたホテル「Sister City」へ。
イアン・シュレーガーの「PUBLIC」裏手です
チェックインカウンター脇の待合には子供イスなんかもあり
ホテルの案内板
で、よく見るとアイアン製なんですこれ
ちゃんとフロア図もあったり
客室扉のSleep/Serviceチェックマークは磁石でペタり
ラストは同行の方オススメの肉料理店「Blue Smoke Flatiron」へ!
肉に始まり肉に終わるNY旅でした〜(笈川)