長野県佐久市にある大正9年創業の老舗菓子工場の建築設計デザイン。旧工場の老朽化からの新築工事物件であり、環境の改善や生産性の向上を目指した。また、従業員のモチベーションアップや働きたくなる環境づくり、新人の育成及び新しい菓子の開発の場として、海外からの視察も視野にデザイン性と機能性を重視し計画している。斜めの大屋根は信州の山並みをイメージしたもので、「工場に見えない建物」をコンセプトにデザインした。エントランスは店舗のブランドイメージである不燃木材の乱張り壁。吹き抜け階段部分には、普段密閉された工場内で働く従業員が開放感を得られるように大きなサッシを設置。作業場が無機質な空間であるため、リフレッシュルームは気分転換が出来るようにナチュラルな空間とし、斜め天井にリングライトを用いて浮遊感を演出。新たな菓子づくりの場として地元のランドマーク的な存在になればと思う。(アトリエ・ボウ)
「和泉屋菓子店 佐久長戸呂工場」
所在地:長野県佐久市岩村田749番地
オープン:2019年11月
設計:アトリエ・ボウ 高田剛志 高田みほこ
設計協力:オオノアトリエ一級建築事務所
床面積:999 m²
Photo:荒木文雄
【内外装仕様データ】
床:外床/磁器質タイル張り(PIENTA ブラウン・カーボン/ユニソン) 内部床/エントランス磁器質タイル貼り(Maristo Cave/アベルコ) 工場内/水性硬質ウレタン系塗り床(SKスペシャルフロアー/エスケー化研) その他/塩ビタイル貼り(サンゲツ)
壁:外壁/金属系サイディング縦貼り一部窯業系サイディング縦貼り 東側・カーテンウォール(Low-E) エントランス/不燃木乱張り(リクレイムドウッド/中部メンテナンス) 一部左官刷毛引き仕上げ(メタルファスYP/四国化成)
天井:工場内/化粧ケイカル板貼り(アスラック200R/ニチアス) その他/ビニルクロス貼り(サンゲツ)
家具・什器:リフレッシュルーム家具(ENLinks)