「伝統」と「革新」をテーマに取り組んだ「富山銀行」の本店の新築プロジェクトである。銀行業務の本質とは、地域経済の活性化に加え、人々の暮らしが豊かになるような社会への貢献といえる。一方、近年の金融ネット環境の利便性向上や利用者の生活の変化に伴い、店舗におけるお客さまとの接点であった銀行窓口への来訪者減少という事実とも向き合う必要がある。そこで、これからの銀行店舗の在り方として、「①店舗を通して企業メッセージをダイレクトに伝え、地域や利用者とって開かれた新たな銀行のイメージを抱いてもらうこと」「②店舗デザインにより街のランドマークとしての役割を果たすこと」が重要であると考えデザインに落とし込んだ。建物北面の「本店コンサルティングプラザ」には、街のランドマークとなることを目指し、ブランドカラーであるブルーの光によって周囲を包み込む革新的かつ象徴的な空間を生み出した。建物南面では、地域産の石材および旧本店のシンボルでもある赤レンガを再現し、地域の人々に残る記憶と伝統を、未来へ継承することを目指している。(瀬野文雄/丹青社)
「富山銀行 新本店」
所在地:富山県高岡市下関町3-1
オープン:2019年11月25日
設計(内装):丹青社 瀬野文雄 高村梨那
プロジェクトマネジメント:凸版印刷
床面積:6200㎡
Photo:ナカサ&パートナーズ
【内外装仕様データ】
〈ロビー〉
床:床放射冷暖房+磁器タイル貼り(MC-6060W-IN/平田タイル、CRR6/602/クリヤマ)
壁:PBt12.5+9.5下地塗装仕上げ(N-93/日塗工) 一部グラデーション塗装+Stパネル塗装(N-93/日塗工)
天井:PB下地塗装仕上げ(N-93/日塗工)
家具・什器:木工+メラミン化粧板(KJ-6000KH91/アイカ工業) 天板/t12人造大理石(モダンホワイト/アイカ工業)
〈ギャラリー〉
床:床放射冷暖房+磁器タイル貼り(MD0168/アドヴァン)
壁:花崗岩ベトナムイエロービシャン貼り本磨きランダム貼り 一部カラーガラス(19-80F/日塗工)
天井:PB下地塗装仕上げ(N-93/日塗工)
家具・什器:木工+メラミン化粧板(KJ-6000KH91/アイカ工業) 天板/t12人造大理石(モダンホワイト/アイカ工業)