LOQUAT Villa SUGURO

2021年2月にオープンしたLOQUAT西伊豆をメインコンテンツに持つ、『まち全体オーベルジュ化計画』。この構想の第一弾として、隣の集落・小土肥にある築約110年の古民家を、1棟貸の宿泊別邸へとコンバージョンした。この地区は古くは代官が住まう静かなエリアであり、ゆっくりした時間が流れていた。時を超え、これを体感できるよう、庭園から周囲の環境を取り込んだ滞在を提供できるように計画した。母屋、川越しの緑を大きく取り込む大開口、庭側に大きく開いた寝室。存在感のあるキッチンでは、LOQUAT西伊豆のシェフが選び抜いた食材を使って自ら料理を楽しむことができる。離れには、空と対岸の緑を望める露天風呂とSPAスペースがあり、アプローチ、そして寝室から望む庭と立地を生かした時間の流れを感じるランドスケープが広がる。この他、地元の土を用いた土壁や、地元産の桜の木を用いたダイニングテーブルなど、建築当時と同じように地産地消による空間構築を試みた。(乃村工藝社

 

「LOQUAT Villa SUGURO」
所在地:静岡県伊豆市小土肥934-1
オープン:2021年7月1日
プロジェクトデザイン:乃村工藝社 小糸紀夫
空間デザイン:乃村工藝社 井上裕史
プランニング:乃村工藝社 二宮咲
設計協力:ライティングデザイン/フェノメノンライティングデザインオフィス 永津 努 大西彩生 グラフィックデザイン/SHIROKURO 二瓶 渉 インテリアデザイン/inua 藤江雄太(基本設計) ランドスケープデザイン/オリザ 藤原駿朗
施工:建築・内装工事/青木興業 外構・植栽/オリザ サイン工事・FFE/乃村工藝社
床面積:145.38㎡
Photo:ナカサ&パートナーズ

【内外装仕様データ】
〈母屋/リビングダイニング、寝室〉
床:土間三和土/フローリング貼り(ラインフロア スモークオーク/昭和洋樽製作所
壁:既存壁、土壁塗り、特殊左官仕上げ(モルタル下地)
天井:既存小屋裏現し
家具・什器:木軸下地ナラ突板染色ウレタンクリア仕上げ
デッキ床:再生木デッキ貼り(ルボア/昭和洋樽製作所
その他:和紙ローマンシェード(水衣/MOLZA
〈離れ/露天風呂、SPA〉
床:再生木デッキ貼り(ルボア/昭和洋樽製作所
壁:既存・新規杉板貼+保護塗料塗
天井:既存小屋裏現し
〈外構〉
石畳:御影石
景石:小松石
塀:杉板貼+保護塗料塗/檜皮葺


小糸紀夫/乃村工藝社
1971年、東京都生まれ。明治大学建築学科卒業、ゼネコン・設計事務所・ベンチャー企業を経て、2007年、乃村工藝社入社。「地域に循環を起こす」を常に考え、仕組みそして骨格づくりから「プロジェクトをデザインする」。
井上裕史/乃村工藝社
1981年、岡山県生まれ。東京藝術大学大学院修了後、2007年、乃村工藝社入社。コミュニケーションを誘発する「仕掛けのある空間づくり」を得意とする。

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